スマホで利用できる3Dスキャナー4選!アプリの特徴や精度も紹介

 

3Dスキャナー スマホ

ほんの数年前までは、3Dスキャナーを利用するのに高性能かつ高価な機材を揃える必要がありました。しかし、最近ではスマホでも3Dスキャンができるアプリが増えてきています。

そこで今回は、スマホで利用できる3Dスキャナーアプリ4選や、スマホで採用されている3Dスキャン技術について解説します。また、スマホアプリの3Dスキャナーと、業務用で使われているハンディ3Dスキャナーとの比較についてご紹介します。

スマホを使った3Dスキャナーの技術は2種類ある

一括りにスマホの3Dスキャナーといっても、活用される技術は2種類あります。

  1. フォトグラメトリー
  2. LiDARスキャン

どちらの3Dスキャン技術を用いて被写体を撮影しても、わずか数分で3Dモデルを完成させることができます。上記2つの手法について、順番に説明していきます。

技術①:フォトグラメトリー

フォトグラメトリー

フォトグラメトリー(Photogrammentry)は、さまざまなアングルで撮影した被写体の写真を解析・統合することで立体的な3Dモデルを作成する技術です。

実は昔から存在する技術であり、主に測量、地形調査、史跡の保護といった分野で活用されてきました。近年では、3Dゲームにもフォトグラメトリーが使用されています。

フォトグラメトリーは、3Dスキャナーのような専門的な機器を使うことなく、普通の写真だけで生成できることが大きな特徴です。通常、110枚ほどの画像データがあれば、小さなものから大きなものまで3Dモデルをデータ化することができます。

フォトグラメトリーに必要な機材と撮影方法

フォトグラメトリーに必要な機材は、以下のとおりです。

  • 専用のソフトウェア(アプリ)
  • スマホまたはパソコン
  • カメラ(スマホやパソコンに付いていない場合)

上記を揃えるだけで、お手軽に3Dデータを作成することができます。できればスマホやカメラは、高性能なものを使用しましょう。

フォトグラメトリーに向いているのは、以下のような被写体です。

  • 模様があるもの
  • 表面がザラザラしているもの

撮影方法は、被写体の全体が写るように注意しながら少しずつ角度を変更して撮影していきます。被写体に使用する台座もザラザラした場所が好ましく、撮影時は照明や反射などで色が飛ばないように気を付けながら撮ります。

技術②:LiDAR(ライダー)スキャン

LiDARスキャン(またはLiDARスキャナ)とは、「LiDARセンサー」という赤外線センサーの反射を利用して、被写体や地形の距離を読み取る技術です。LiDARは「Light Detection and Ranging(光検出と測距)」を略したものであり、被写体の造形を点で捉えてその点群データ(点の集合体)からメッシュデータを作成します。

仕組み自体は1960年代には誕生していて、1990年代には宇宙分野で活用されていました。近年では、自動運転技術などにも使われています。

LiDARスキャンに必要な機材と撮影方法

LiDARスキャンに必要な機材は、以下のとおりです。

  • スマホ
  • 専用アプリ

スマホのLiDARスキャン(主にiPhone)がスキャンしやすい被写体は、フォトグラメトリー同様に表面がザラザラしたものや模様のあるものです。加えて、形状があまり複雑でないことが好ましいです。苦手な被写体は、透明なガラスやプラスチックといった反射しないものです。

撮影ですが、アプリを起動させてスマホをゆっくりと動かして被写体を撮影しましょう。早く動かしてしまうと、3Dモデルに抜けやズレなどが生じてしまいます。LiDARスキャン使用時はCPUを最大まで使用するため、カバーがあると熱がこもるので注意してください。

フォトグラメトリーは高精度、LiDARスキャンは造形の処理が早い

フォトグラメトリーもLiDARスキャンも、最終的なアウトプットのデータ形式は同じですが、それぞれで特性に違いがあります。

【フォトグラメトリー】

  • 高解像度な3Dデータを作成しやすい
  • 広い範囲の3Dデータでもキレイに仕上がる

LiDARスキャンのレーザー光(スマホでは距離が短い)が届かないような、広い範囲での3Dデータ化は、フォトグラメトリーが適しています。

【LiDARスキャン】

  • 処理能力が高く、手軽に3Dデータ化できる
  • 天候に左右されにくい

一方のLiDARスキャンは、レーザー光を「デバイスから発生させる」という特徴があることから、空が曇ったり日没で暗くなったりしても影響を受けにくい特徴があります。

両者は競合する技術ではありますが、LiDARスキャンがフォトグラメトリーを補完する役割を果たすことも可能です。

いま注目のスマホで利用できる無料3Dスキャナーアプリ4選

  • WIDAR:世界初の3D製作アプリ
  • Polycam:初心者向けのアプリ(撮影までは無料)
  • 3D Scanner App:高精度な3Dスキャナー(iOSのみ対応)
  • Scaniverse:測定モードが多彩な3Dスキャナー(iOSのみ対応)

アプリ①:WIDAR【世界初の3D製作アプリ】

WIDARは、世界初の3D制作アプリです。

大きな特徴は、「フォトグラメトリー(アプリ内での名称はPhotoスキャン)」と「LiDAR」のどちらの技術にも対応していることです。タップ1つで両者を切り替えられるので、被写体に合った技術を利用できます。

どちらも一定時間おきに自動でシャッターが切れるので、動画を撮影するように全方位から被写体を捉えることができます。

撮影データですが、Photoスキャンはクラウドサーバー上にアップロード、LiDARスキャンはスマホ内でデータをつなぎ合わせて3Dモデルを作成します。

アプリ②:Polycam【初心者向けのアプリ】

初心者向けなのが、Polycamです。

操作方法が明確なので、操作に不慣れな方でも使いやすいことが大きな特徴です。しかも、インターネット接続することなく3Dデータを作成することができます。

スキャン精度やテクスチャ解像度も高いので、クオリティ重視の方におすすめです。

ただし、エクスポート(書き出し)には料金が発生します。買い切りの場合は4,900円、月額課金の場合は450円です。同時に、課金すると点群ファイルの出力もできます。

アプリ③:3D Scanner App【高精度な3Dスキャナー】

3D Scanner Appは、無料で高精度な3Dスキャナーです。

撮影後に利用する編集機能が豊富であることも、大きな特徴です。

テクスチャ作成、メッシュのスムーズ化、リメッシュといった機能が揃っているほか、スキャンしたデータはクラウドサーバーにアップロードすることで、パソコンと簡単に共有できます。

スキャンからエクスポートまでの工程が少なく処理速度も早いうえ、解像度調整やマスク深度も調整できます。しかし、処理された実際のデータの解像度は高いとはいえません。

ちなみに、3D Scanner Appは一部のiPhoneおよびiPad Proにしか対応していないので、利用の際は注意してください。

3Dスキャナー搭載のスマホ(iPhone・iPad)

iPhoneやiPadの上位機種には、LiDARスキャナが搭載されています。

  • iPhone12 Pro
  • iPhone13 Pro
  • iPad Pro(2020年発売以降のモデル)

上記の機種以外のiPhoneやiPadでは、3Dスキャナーを利用できないので注意してください。

アプリ④:Scaniverse【測定モードが多彩な3Dスキャナー】

Scaniverseは、複数の測定モードにより、小さなモノから大きなモノまで測定ができる3Dスキャナーです。

iPhoneおよびiPadのみ対応のアプリではあるものの、LiDAR非対応の機種でも使用可能。無料アプリのなかでも高いクオリティでスキャンできるため、多くの人気を集めています。

スキャンの際には、小さなモノに対応する「Small Object」、人や家具などの大きさに対応する「Medium Object」、建物や屋外に対応する「Large Object / Area」のモードを選択できます。

スキャン終了後も、「Area」モードで室内や空間、「Detail」モードで対象物の質感を保持、「Speed」モードでスキャン結果を速やかに確認するといったモードを選べます。

データの取得後は、切り抜きや画像補正に対応するほか、AR表示や対象物の計測も可能です。

スマホ向け3Dスキャナーとハンディ3Dスキャナーの精度比較

ここでは、スマホで3Dスキャンした精度とハンディ3Dスキャナーで3Dスキャンした精度を比較します。

今回の測定で使用した模型サンプルは以下の画像です。

3Dスキャンに使用した模型サンプル

今回はスキャンデータの精度がより明確になるように、テクスチャーを消して比較しました。

続いて以下の画像は、スマホで3Dスキャンした画像を、Scaniverseアプリで処理した画像です。

スマホで3Dスキャンした模型サンプル

次に赤外線光源を採用し、テクスチャーを付加できるハンディ3Dスキャナー「IREAL 2E」で模型サンプルを3Dスキャンしました。

IREAL 2Eで3Dスキャンした模型サンプル

最後に、ブルーレーザー光源を採用したハイエンドハンディ3Dスキャナー「SIMSCAN」で3Dスキャンした模型サンプルの画像は以下の通りです。

SIMSCANで3Dスキャンした模型サンプル

これらの画像を比較すると、スマホで3Dスキャンしたデータは精度が低く、模型サンプルの形状を正しく捉えられていないとこが分かります。

一方で、ハンディ3Dスキャナーで3Dスキャンした2種類のデータは、現物を忠実に再現しており、高精度なスキャンデータを取得できています。

以上の結果から、精度をあまり求めない用途では、スマホによる3Dスキャンが適しています。

しかし、精度が求められるシーンでは、高精度な測定が可能なハンディ3Dスキャナーの利用がおすすめです。

SCANTECHでは、今回使用した2機種以外にも、各々異なる特性を持ったハンディ3Dスキャナーを多数取り扱っています。

また、お客様の三次元測定ニーズに最適な製品を提供できるよう心掛けています。高精度な測定が必要な場合、ぜひSCANTECHのハンディ3Dスキャナーの導入をご検討ください。

ハンディ3Dスキャナーに関するお問い合わせはこちら

業務目的の3Dスキャンにおすすめの三次元測定サービス

SIMSCANでエンジンルームをスキャンしている様子

 

SCANTECHでは、ハンディ3Dスキャナーの導入が難しい方や、短期での3Dスキャンを行いたい方向けに、三次元測定サービスも提供しています。

三次元測定サービスは、弊社の技術スタッフが全国どこにでも出張し、対象物の3Dスキャンから、データの後処理業務まで行うサービスです。

3Dスキャンしたデータは、三次元寸法測定・形状比較評価・リバースエンジニアリングなどの幅広い用途で活用できます。

当サービスでは、用途に応じて以下の4機種のハンディ3Dスキャナーを使い分けます。

  • TRACKSCAN:マーカー不要で大型対象物の測定が可能な3Dスキャナー
  • KSCAN-MAGIC:フォトグラメトリシステムを搭載した3Dスキャナー
  • SIMSCAN:小型サイズながら取り回し性や操作性の高い3Dスキャナー
  • IREAL 2E:色やテクスチャーも再現できる3Dスキャナー

各機種はそれぞれで特徴が異なるため、あらゆる対象物の測定が可能です。測定できるサイズも、今回ご紹介した小型の模型から、車のような大型の対象物まで対応します。

三次元測定サービスの詳細については、以下のページをご確認ください。

三次元測定サービスの詳細はこちら

スマホ向け3DスキャナーのFAQ

スマホ向け3Dスキャナーのよくある質問は、以下のとおりです。

  1. スマホ向け3Dスキャナーにはどんな技術が活用されている?
  2. 無料で利用できるスマホ向け3Dスキャナーはある?

上から順番に見ていきましょう。

スマホ向け3Dスキャナーにはどんな技術が活用されている?

「フォトグラメトリー」と「LiDAR(ライダー)スキャン」、2つの技術がスマホ向け3Dスキャナーに活用されています。

フォトグラメトリーは、さまざまなアングルで撮影した被写体の写真を解析・統合することで立体的な3Dモデルを生成する技術です。写真だけで3Dスキャンデータの生成が可能で、高解像度かつ、小さなものから大きなものまで3Dモデルをデータ化できます。

LiDARスキャンは、赤外線センサーの反射を利用する「LiDARセンサー」により3Dスキャンを行う技術です。LiDARセンサーを搭載したスマホ(主にiPhone)のみの対応となるものの、処理能力が高く、手軽に3Dデータ化できるのが特徴です。

無料で利用できるスマホ向け3Dスキャナーはある?

無料のスマホ向け3Dスキャナーには、「WIDAR」「Polycam」「3D Scanner App」「Scaniverse」などがあります。無料のスマホ向けスキャナーは、手軽かつ安価に利用できる点がメリットです。しかし、精度や解像度ではハンディ型3Dスキャナーに軍配が上がります。

スマホ向け3Dスキャナーよりも高解像度でスキャンしたい方は、SCANTECHが提供しているハンディ3Dスキャナーのご利用がおすすめです。

ハンディ3Dスキャナーの導入が難しい方向けに、当社の技術スタッフが全国の現場に出張してスキャンを行う、三次元測定サービスも提供しているので、ぜひご検討ください。

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まとめ

大阪ショールームの様子

今回は、スマホで利用できる無料3Dスキャナーやその特徴、精度などをご紹介しました。

以下に、今回お伝えした内容をまとめました。

  • 3Dスキャナーには「フォトグラメトリー」「LiDARスキャン」2種類の技術がある
  • フォトグラメトリーは高精度、LiDARは造形処理の速度が速いという特徴を持つ
  • 無料で利用できる3Dスキャナー向けのスマホアプリがある
  • スマホアプリよりハンディ型3Dスキャナーの方が精度も解像度も高い
  • 業務用ハンディ3Dスキャナーは幅広い用途で利用できる

スマホアプリの3Dスキャナーは、コストを抑えて気軽に3Dスキャンできるのがメリットです。しかし、業務用で使えるほどの測定精度を出すのは難しい傾向にあります。

もしスマホ向け3Dスキャナーアプリよりも、対象物を高精度で測定したい方は、業務用ハンディ3Dスキャナーの利用がおすすめです。

SCANTECHでは、高性能な業務用ハンディ3Dスキャナー「IREAL 2E」や「SIMSCAN」のほかにも、多種多様な機種を販売しております。導入が難しい方や、短期利用の方は、三次元測定サービスも提供しているので、ぜひご検討ください。

また、業務用ハンディ3Dスキャナーを実際に商品を見たり触ったりしたい方向けに、大阪・東京のエリアにてショールームを開催しております。業務用ハンディ3Dスキャナーに興味のある方は、お気軽にご利用ください。

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