金型を設計するために、3Dスキャナーが活用され始めています。その他にも、金型の品質評価やデジタルアーカイブ化（金型設計図を電子データで保管すること）に活用されています。デジタルアーカイブ化しておけば、次世代のモノづくりの担い手に継承することも可能です。

3Dスキャナーは金型を3Dデータへ変換する三次元測定機です。当社では「作り手の想いを繋ぐ道具」として3Dスキャナーを取り扱っており、製品を販売するだけでなく、三次元測定サービスを提供しています。 今回は金型設計に役立つ3Dスキャナーサービスをご紹介します。この記事を読めば、金型設計を効率化する方法が分かるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

[製造業]3Dスキャナーの利用用途

 

当社で取り扱っている3Dスキャナーは、軽量で持ち運びができるハンディ型3Dスキャナーです。ハンディ型3Dスキャナーは「高精度」「高速処理」「持ち運びしやすい」などの特徴があることから、下記の利用用途で利用されています。

ここでは、3Dスキャナーの利用用途について解説します。

 

金型設計

3Dスキャナーを活用すれば金型の3Dデータが生成できます。生成した3Dデータをリデザイン（製品になった金型を再びデザインし直して製品化する)すれば、金型設計の工程を短縮することが可能です。

このような流れで新たな金型を設計していけば、企業競争力が上げられます。 金型設計の業務効率化をしたい方は、非接触式の3Dスキャナーと直観的に操作できる処理ソフトを選ぶようにしましょう。

金型修理

金型を長期間使用していると傷がついたり表面が削れてしまったりします。このような損傷箇所や摩耗箇所が目立ってきた場合は、適切な対処をすることでメンテナンスコストを最小限に抑えられます。なぜなら、適切な対処をすれば、金型の寿命を延ばせるためです。

3Dスキャナーを活用して金型の3Dデータを取得して設計図と照合させれば、損傷や摩耗など修正箇所が分かるためメンテナンス作業を効率化できます。

品質評価

3Dスキャナーを活用すれば、金型メーカーが金型成形段階で行う品質評価を効率化できます。その理由は、3Dスキャナーで生成した3Dデータと設計図を比較すれば、補正すべき箇所が分かるようになるためです。浮かび上がった問題はソフトウェア上で修正できます。

また、このような品質評価を行えば、お客様に品質の高い金型を納品できます。

 

リバースエンジニアリング

既存の金型を複製したいけれど設計図面を紛失した場合も、3Dスキャナーがあれば設計図を複製できます。

複製した設計図でリバースエンジニアリングもできます。 シンプルな形状の金型であれば、3DCADを使用して人力で複製できるでしょう。しかし、曲線が含まれている複雑な形状の金型の複製は難しくなります。このような問題も3Dスキャナーを活用すれば解決できます。

老朽化した金型を再製作して欲しいけれど図面を失くしたという方に3Dスキャナーのリバースエンジニアリングはおすすめです。

 

デジタルアーカイブ

3Dスキャナーで金型の3Dデータを取得すれば、デジタルアーカイブ化できます。「製品データ」「工程計画書」「設計図面」「見積書」「各種資料」をアーカイブ化して、データ共有・検索が行えるようにしておけば業務効率化が見込めます。

DXを推進している金型製作所では、類似の金型の資料を瞬時に取り出せるデジタルアーカイブを実現し、3時間も必要だった見積算出を10分に短縮させることに成功しました。情報の一元管理や共有のデジタルアーカイブ化は生産性向上に欠かせません。（参考文献：smartscorp「類似形状データベース「SS4M」 金型製作実績30年のクリモトで採用」）

3Dスキャナーを活用すれば、既存の金型の3Dデータを取得できるため、デジタルアーカイブ化を検討している方は利用してみてください。

 

3Dスキャナーで金型設計を行うメリット

一般的な設計方法と比較すると、3Dスキャナーによる金型設計には以下のようなメリットがあります。

• 高精度なデータを取得できる
• あらゆる場所で金型設計ができる
• 金型設計の工数を削減できる
• 既製の金型の複製ができる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

高精度なデータを取得できる

3Dスキャナーを活用すれば、高精度な3Dデータが取得できます。3Dスキャナーの製品カタログには精度が書かれており、どれだけ実物の金型に近いデータが取得できるか確認できます。 SCANTECHが提供する3Dスキャナーの精度は以下の通りです。

SCANTECHの3Dスキャナーは業界最高水準の精度のため、実物の金型に近い3Dデータが取得したい方におすすめです。

 

あらゆる場所で金型設計ができる

ハンディ型3Dスキャナーは軽量化されて持ち運ぶことができます。そのため、製造工場や納品先などあらゆる場所で金型設計ができます。 例えば、お客様との打ち合わせで既存金型を3Dスキャンしてリデザインすれば、一緒に設計の打ち合わせができます。

このように、3DスキャナーとソフトウェアがダウンロードされたPCがあれば、場所を問わずに設計作業ができます。

 

金型設計の工数を削減できる

3Dスキャナーで金型の3Dデータを取得して、リデザインすれば金型設計の工数を短縮できます。とくに、円弧スライドや2段スライドなど複雑な形状の金型を一から設計すると莫大な工数がかかります。このような問題は、金型をリデザインすると良いでしょう。

3Dスキャナーを活用して金型設計の工数を短縮したい場合は、マーカーレスのスキャナーと直観的に操作できるデータ処理ソフトウェアを選ぶことが大切です。

 

既製の金型の複製ができる

既製の金型を再発注したいけれど、図面を紛失してしまったなどのトラブルも発生しがちです。このようなトラブルは3Dスキャナーを活用して解決できます。3Dスキャナーで既製の金型をスキャンすれば、データが瞬時に生成できます。

また製造工場内の金型のデジタルアーカイブ化しておけば、欲しいデータが瞬時に出せて生産性が上げられるでしょう。このように、既製の金型の複製ができることも3Dスキャナーの魅力です。

 

金型設計におすすめの「3Dスキャナー三次元測定サービス」

3Dスキャナーで金型設計するメリットを知り、興味を持った方には、3Dスキャナーを用いた「三次元測定サービス」をおすすめします。

三次元測定サービスでは4つの3Dスキャナーを使用して高精度なデータを取得します。

三次元測定サービスが金型設計におすすめの理由は以下の通りです。

 

プロによるスキャン業務

三次元測定サービスは、豊富な実務経験を積んだエンジニアが3Dスキャンや後処理を行うサービスです。そのため「金型設計を効率化したいけれど、3Dスキャナーの操作方法が分からない」という方におすすめです。

「金型設計」「金型修理」「品質評価」「リバースエンジニアリング」「デジタルアーカイブ化」を実現するために3Dスキャナーをどのように使えば良いかサポートします。

大型金型のデータ取得にも対応

三次元測定サービスは、小型だけでなく大型の金型の3Dデータ取得にも対応できます。自動車の金具の軽量化が進み、大型の金型も増えてきました。 大型の金型の3Dデータを取得するためには、複数のデータの重ね合わせが必要なため、スキャン技術が必要です。また、後処理の技術も欠かせません。このような作業をエンジニアにお任せすれば高精度なデータを作成できます。

 

既製の金型のデータ複製にも対応

既製の金型を再発注したいけれど、設計データを紛失してしまったと悩みを抱えている場合は三次元測定サービスをご利用ください。3Dスキャナーでスキャニングすれば瞬時にデータを生成できます。また、既製の金型にズレや歪みがあった場合でもソフトウェア上で修復できるため、ご安心ください。

 

金型データの短納期を実現

3Dスキャナーを活用して、3Dデータを取得してリデザインするなど工夫次第で金型設計の工程が短縮できます。金型データは手作業でも作成できますが、複雑な形状は3Dスキャナーで3Dデータを生成した方が早いです。その分、金型データの短納期が実現できます。

 

金型アーカイブに対応

金型のデジタルアーカイブを構築したいと思った方は、三次元測定サービスをご利用ください。プロのエンジニアがお客様の製造工場に出向いて、さまざまな金型の3Dデータを取得していきます。

また、取得した3Dデータの後処理も行います。出張は全国対応できるため、お気軽にご相談ください。

三次元測定サービスの詳細はコチラ

3Dスキャナーで金型設計する際によくある質問

最後に3Dスキャナーで金型設計する際によくある質問をご紹介します。

 

Q.金型アーカイブを構築するメリットは何ですか？

金型のデジタルアーカイブをしておけば、瞬時に必要なデータを取り出せます。取り出したデータの加工や編集も可能です。さらに、データをアーカイブ化しておけばキャビネットなどの資料の保管場所も必要ありません。そのため、データ管理のコストを抑えられます。

 

Q.3Dスキャナーで金型の品質管理ができますか？

金型の品質管理は、ノギスやマイクロメーターなどの測定機を使用して行われるのが一般的です。しかし、3Dスキャナーを活用して品質管理の業務効率化ができます。なぜなら、金型のスキャンデータと設計図データを重ね合わせ、傷や歪みなどを発見できるためです。また、金型の断面も確認できます。

まとめ

3Dスキャナーで金型設計を行えば工数を削減できます。それだけでなく、品質管理やリバースエンジニアリングにも利用できます。上手く活用すれば短納期、低コストで品質が良い金型が製造できるでしょう。

APPLE TREEでは、3Dスキャナーを活用した三次元測定サービスを提供しています。三次元測定サービスでは、スキャニング技術を持ったエンジニアが、お客様の代わりに金型データを取得するサービスです。

ぜひ、この記事を読んで3Dスキャナーに興味を持った方は、弊社のショールームに遊びにきてみてください。

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