水力発電用タービンの3Dスキャナーによるリバースエンジニアリング事例
水力発電は、重要なエネルギー産業であると同時に、3Dデジタル技術の重要な応用産業でもあります。
今回は水力発電用タービンの設計に3Dスキャナーがどのように貢献しているのかチリのGEOCOM社のタービンにおけるリバースエンジニアリングの事例を挙げながらご紹介します。
この記事を最後まで読んで頂ければ、リバースエンジニアリング設計はどういったソリューションをもたらすのかわかって頂けるかと思います。
水力発電における既存の測定方法のデメリット
水力発電の過程の中で、水流や土砂は水力発電用タービンに影響を与えるため、インペラブレード(発電機のターボチャージャーに使用される羽根車)やすべての部品に多くの摩耗が生じ、定期的な修理や更新が必要でした。
しかし、最大の問題はこれらの部品の製造図面がないことです。
タービンの筐体はコンパクトで複雑な構造をしています。
また、インペラブレードは湾曲しており、ノギスやマイクロメーターなどの従来の測定方法では、測定することが難しいため、測定誤差が発生し、効率が悪いなどのデメリットがありました。
次に、ハンディー型3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」を用いて、既存の方法でのデメリットを3Dソリューションによってどうやって解決するのかお伝えします。
タービンのリバースエンジニアリングの一連の流れ
ハンディー型3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」を使用すれば、タービンの点群データが取得できます。そして、Design X(リバースエンジニアリングソフトウェア)と連携することで、以下のことができます。
・パッチフィッテング
・セクションの作成
・曲線の抽出
これらのスキャンデータを処理し、CADモデルを取得することができます。
さらに、最適化された設計を既存の基準に基づいて実行することで、より質の高い製品を開発することができます。
下記の動画では、リバースエンジニアリングよるCADデータ化の一連の流れを紹介しています。
KSCAN-MAGICを用いたスキャンデータと処理結果
・スキャン中
・スキャン結果処理の最適化
・リバースエンジニアリングからCADモデルを取得
上記の写真のように対象物をスキャンして、それを瞬時に処理して、CADモデルを取得することができます。
次に、3Dスキャナー 「KSCAN-MAGIC」の特徴についてより詳しくお伝えします。
3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」の特徴
・狭い場所でも測定可能
高度なレーザースキャン技術により、KSCAN-MAGICはサイズ、形状、材質、表面の複雑さに関わらず、ほぼすべての部品を測定することができます。また、基準穴や構造上隠れてしまう場所でも非接触式での測定をすることで、従来の測定方法の欠点を補うことができます。
・高精度
KSCANは、世界初の特許技術であるレッドレーザー、ブルーレーザーと写真測量による3D測定を組み合わせています。
詳しい精度は以下の通りです。
最高精度 0.020mm
容積精度 0.010mm+0.015mm/m
・ワークフローの効率化
135万ポイント/秒のスキャンスピードで測定し、スキャンデータは瞬時にメッシュデータに変換され、データの取得が完了すれば、CADソフトにシームレスに変換することができます。
まとめ
KSCAN-MAGICはスキャン速度、精度、表面幅、そして、ワークフローを大幅に最適化することで、従来の方法でのデメリットを補い、デジタルリバースエンジニアリング設計に実用的なソリューションをもたらすことがわかって頂けたかと思います。
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3Dスキャナーに興味がある方は、ぜひ実機に触れて3Dスキャン体験をしてみてください!
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