3Dスキャンサービスとは?利用シーンと主な費用項目を解説
3Dプリンターや図面起こしなど、さまざまなシーンで活用されるのが「3Dスキャナー」です。
これをサービスとして提供する3Dスキャンサービスとはどういったものなのか、本記事では主な利用シーンや費用項目などについて解説していきます。
3Dスキャナーには興味があるが、使いこなせる自信がない方などはぜひ参考にしてみてください。
3Dスキャンサービスとは?
3Dスキャンサービスとは、3Dスキャナーを用いて提供される2つのサービスを指してます。それが「3Dスキャンの代行サービス」と「リバースエンジニアリングサービス」です。
3Dスキャンの代行サービス
ユーザーに代わって3Dスキャンを実行するサービスです。3Dスキャナーを購入する必要がなく、項目に応じたサービス料金だけで3Dデータを入手できます。
3Dスキャンのメリットは、ノギスやマイクロメーターなどのアナログ計測器よりも素早く、かつ正確な測定が可能なことです。人の手や身体が入れない複雑な形状をした部分でも、3Dスキャナーを用いて正確に測定できます。
また、自動車や文化財などの大型対象物を測定することも可能であり、多くのものを3Dデータ化できます。
リバースエンジニアリングサービス
一方、リバースエンジニアリングは3D図面を持たない製品をスキャンし、図面起こしをした上でさまざまな用途で3Dデータを利用するサービスです。
製品設計者であれば、良いアイディアが思い浮かばない時に市販品を分解し、構造・機構を調べた経験があるでしょう。
これも立派なリバースエンジニアリングであり、3Dスキャナーを用いればそうした作業や分析を、非常にスピーディに行うことができます。
3Dスキャンサービスを利用すべきシーンとは
3Dスキャンサービスを利用すべき主なシーンは3つあります。どれか1つに当てはまる場合、3Dスキャンサービスの利用を検討してみてください。
3Dスキャン技術に自信がない
3Dスキャナーを用いて3Dデータを作るには技術が必要です。製造には自信があっても「3Dスキャン技術に自信がない」という企業は少なくありません。
そうした企業が3Dスキャン技術を身につけた人材を確保するには、時間も費用もかかります。そのため3Dスキャンサービスを利用することで、時間と費用を節約できます。
スポットで対応してもらいたい
3Dスキャナーは必要だが、長期的に利用するものではないため購入コストを抑えて3Dデータが欲しいという企業は、スポットでの対応が可能です。
3Dスキャナーや3Dスキャナー用のソフトウェアは決して安価なものではないため、スポットで対応してもらう方が購入コストを抑えられ、かつ必要な3Dデータを得られるという企業も多いでしょう。
3Dコンテンツ作りがしたい
ECサイトに掲載する商品の3Dコンテンツや、3Dプリンターに使用する3Dデータが欲しいという場合にも3Dスキャンサービスはおすすめです。
とりわけECサイト運営者は、長期的に3Dスキャナーを必要とするケースは少ないため、3Dスキャンサービスを利用してニーズがある時だけ3Dコンテンツを作成してもらうという利用方法が合っています。
3Dスキャンサービスの費用を決める5項目
さまざまな用途で利用される3Dスキャンサービスでは、費用を決める主な7項目があります。それぞれの項目を明確にしておくと正確な見積りが出せるので、3Dスキャンサービスを利用する際は事前に調べておきましょう。
1. スキャン対象物のサイズ
最初に考慮すべきなのはスキャン対象物のサイズであり、対象物が大きいほど費用も大きくなると考えて差し支えありません。
大型のスキャン対象物は小型のものに比べると、スキャンにより多くの時間を要するため、自然と費用も大きくなります。
2. スキャン対象物の複雑性
続いて考慮すべきはスキャン対象物の複雑性です。同じ大きさのスキャン対象物であっても、構造がより複雑であれば費用が大きくなる可能性があります。
「どれくらい複雑だと費用が大きくなるのか?」というのは、3Dスキャンサービスを提供する事業者の規定によって異なります。
3. スキャン対象物の素材
反射性のある素材などは、通常の方法でスキャンするのが難しい場合があります。その場合は洗い流せるタイプの艶消しスプレーを吹きかけてからスキャンを行うため、費用も大きくなります。
また、3Dスキャンサービスを提供する事業者によって素材によってスキャンを引き受けない場合もあるため、事前に調べておきましょう。
4. スキャン対象物の数量
スキャン対象物の数量が多いほどスキャンに時間がかかるため、これもまた費用を左右する項目です。
また、スキャン対象物が1つの製品を分解した部品たちとすると、データ処理に時間がかかるためこれも費用を左右します。
5. 3Dモデルの精度と解像度
最終的に作成される3Dモデルの精度と解像度も費用項目の1つです。3Dデータは用途によって必要な精度や解像度が違います。
たとえば3Dプリンターに使用する3Dデータなら高い精度や解像度が必要ですが、3D図面としてデジタルアーカイブなら高い精度や解像度を求めない場合もあります。
どれほどの精度と解像度が必要かは事前に決めておくことをおすすめします。
SCANTECHの3Dスキャンサービス
いかがでしょうか?3Dスキャンサービスの利用目的や費用項目について、概要を掴んでいただけたのなら幸いです。
ここでは、SCANTECH(スキャンテック)が提供する2つの3Dスキャンサービスについてご紹介します。
10年以上にわたり製造業や品質管理、エンジニア分野での3Dスキャナー開発・提供実績のあるSCANTECHの3Dスキャンサービスをぜひご検討ください。
三次元測定サービス
SCANTECHではハンディー型3Dスキャナーを用いて、三次元測定の受託サービスを提供しています。「KSCAN-MAGIC」は次のような特徴を持ちます。
- 11本の平行赤外線レーザースキャン技術によりスキャンエリアを1440mm×860mmまで拡大し、自動車や構造物など大きい対象物まで高速スキャンが可能
- 135万点/秒というスキャンスピードと、セットアップからスキャンまでのワークフローを高速化したことで作業効率が大幅にアップ
- 最大0.010mmの解像度、最大0.020mmの精度のため、ディテールの細かい造形物にも対応
SCANTECHの三次元測定サービスではスキャン対象物の3Dデータ化を行うだけでなく、カラーマップを作成することで形状比較を行い、欠損部分などを視覚的に把握することも可能です。
さらに断面検査により、形状や姿勢などの幾何公差や厚み分布などを測定し、形状のズレや歪みまで把握できます。
リバースエンジニアリング
SCANTECHのリバースエンジニアリングでは、同じくハンディー型3Dスキャナーを用いて既存の製品・部品の形状をスキャンし、お客様の用途に合わせた形状で3Dデータを作成するサービスです。主に、次のような用途でご利用いただけます。
- 既存製品の再設計
- 破損部品の修復
- 試作品の3Dデータ化
- 解析用CADデータの作成
- CAE解析精度の向上
- 3Dプリンターによる造形
- デジタルアーカイブ
図面起こしなどのために3Dスキャナーは必要だが、3Dスキャンや3Dデータ処理の技術がなくお困りの場合におすすめのサービスです。
3Dスキャナーサービスに関してよくある質問
最後に、3Dスキャナーサービスに関してよくある質問をご紹介します。
Q.法人でなく個人でも利用できますか?
3Dスキャンサービスや提供する事業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。SCANTECHの場合は法人だけでなく、個人のお客様でもご利用いただけます。当社の三次元測定サービスの詳細はこちらです。
Q.どれくらいのサイズまで測定可能ですか?
使用する3Dスキャナーや、スキャン対象物の形状によって異なります。SCANTECHで使用するKSCAN-MAGICの場合、直径約11m未満の対象物であれば測定可能となっています。
Q.3Dスキャナーの精度・解像度とは何ですか?
3Dスキャナーの精度とは、作成される3Dデータがスキャン対象物にどれくらい近似しているかを表します。SCANTECHで使用する「KSCAN-MAGIC」は0.02mmと非常に高い精度を持っています。
3Dスキャナーの精度・解像度の詳しい解説については「3Dスキャナーの精度はどれくらい?メリット・デメリットを合わせた解説(内部リンク)」をご参考ください。
Q.3Dスキャン時に必要なものはありますか?
基本的に用意すべきものはありません。SCANTECHの場合はスキャン対象物だけをご用意いただければ大丈夫です。
一方、3Dスキャナーの解像度とはスキャン対象物の表面をどれくらい細かく検出し、描写できるかを表します。SCANTECHで使用する「KSCAN-MAGIC」の最大解像度は0.01mmなので、砂粒よりも小さな描写が可能です。
まとめ
改めまして、3Dスキャン技術に自信がない、3Dスキャナーを購入するほどのニーズはないという場合は、3Dスキャナーサービスをぜひご検討ください。
3Dスキャナーサービスを検討する際は、事業者が使用する3Dスキャナーや費用合計などをしっかりと比較しながら、目的に沿ったサービスを選びましょう。