3Dスキャナーソフトウェア厳選3選!主な機能から選び方まで解説
3Dスキャナーで取得したデータの修正、編集、データ変換をしたいと思った場合に、どのようなソフトウェアを選べばよいのでしょうか?
さまざまな製品が登場しているため、どの製品を選べばよいのだろうと悩んでしまう方が多く見受けられます。このような悩みを解決するために、3Dスキャナーソフトウェアの選び方をご紹介します。この記事では、おすすめのソフトウェアまで紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
3Dスキャナーソフトウェアとは
3Dスキャナーソフトウェアとは、3Dスキャナーで取得したデータの修正や編集、データ変換するためのソフトウェアを指します。
3Dスキャナーで取得した点群データは、点群の位置を重ねて合成しメッシュデータ(ポリゴンデータ)に変換しなければ、3Dプリンターなどで活用できません。つまり、ソフトウェアを使用してデータ変換する必要があるのです。
ソフトウェアに応じて、どのような機能が搭載されているかが異なります。そのため、自分のニーズに合ったソフトウェアを選ぶことが大切です。
3Dスキャナーソフトウェアでできる4つのこと
3Dスキャナーソフトウェアでできることは、4つあります。 詳しく解説します。
点群処理
点群処理とは、3Dスキャナーで取得した点群データ(無数の点で構成されているデータ)をメッシュデータに変換することを指します。
点群の位置を重ねて合成する作業は非常に難しいです。しかし、高性能なソフトウェアの登場により共通点を自動で重ね合わせられ、簡単に合成できるようになりました。そのため、作業者による品質の差がなくなってきています。
点群処理の精度は造形物に影響するため、高性能なソフトウェアを利用することをおすすめします。
点群処理について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『点群データからCADデータの変換について、基礎知識とおすすめソフトを解説』
3DCAD(製品設計)
3Dスキャナーで取得した点群データをメッシュデータに変換したら、CADで製図・設計できるようになります。つまり、3Dスキャナーで取得したデータを編集して、よりよい製品に改良することができるのです。
このように、既存製品のデータを取得して改良することをリバースエンジニアリングといいます。CADは曲線が描きにくいという弱点がありますが、寸法を計測しながら製図できます。
3Dモデリング
3Dスキャナーソフトウェアを使用して点群データをメッシュデータに変換した後、3Dモデリングソフトでキャラクターが作れるようになります。つまり、3Dスキャナーで取得したデータを編集して、ゲームや広告などに活用するキャラクターの作成ができます。
3Dモデリングの魅力は、難しい曲線も思い通りに描けることです。また、革や毛皮などのテクスチャーを細かく再現できることです。
ファイルサイズが大きかったり、厚みなど寸法を計測せずに製図したりするため、3Dプリンター用データ作成には向いていません。しかし、高精度なデジタルデータを作成できます。
データ測定
3Dスキャナーソフトウェアを使用すればデータ測定ができます。ソフトウェアを利用すれば、取得された点群データを解析し、寸法、角度、距離などの詳細な情報の取得が可能です。
3Dスキャナーは、対象物にレーザー光を照射して反射時間から形状を読み取っています。このような仕組みにより、複雑な形状データや断面データが取得できるのです。
これらのデータを計測すれば、3次元測定ができます。データ測定は自動車部品の金型や各種部品の試作の他、図面との差異の測定などに用いられます。
3Dスキャナーソフトウェアの選び方
3Dスキャナーソフトウェアは、さまざまな製品が登場しています。無料・有料と価格も各製品で異なるため、どのソフトウェアを利用すべきか悩んでしまうでしょう。そのような悩みを抱えた方向けに3Dスキャナーソフトウェアの選び方をご紹介します。
目的に合ったものを選ぶ
3Dスキャナーは、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
例えば、建物データを取得したい場合は大きなデータでも素早く処理ができるソフトウェアを選んだ方が良いでしょう。また、リバースエンジニアリングをしたいという方はCAD機能がとシームレスに連携できるソフトウェアを選ぶべきです。
このように、目的によって選ぶべきソフトウェアは異なってきます。そのため、お客様の目的に合ったものを選ぶようにしましょう。
処理速度で選ぶ
3Dスキャナーソフトウェアの処理速度は各製品で異なります。そのため、求めるサイズのデータをスムーズに処理できるかを確認しておきましょう。
製品の中にはデータの処理に30分かかるものがあります。このように処理速度が遅いものを選んでしまうと、業務が非効率になってしまうため注意してください。
機能で選ぶ
3Dスキャナーでできることを説明しましたが、「データ取得」「処理」「編集」「モデリング」「計測」など必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。また、使用しているソフトウェアを継続して使いたい場合は、それらのソフトウェアとの連携性を確認しておくと良いです。
セキュリティが高いものを選ぶ
3Dスキャナーソフトウェアを選ぶ場合は、セキュリティ面で安心して利用できるものを選びましょう。なぜなら、ソフトウェアの設計ミスが原因でセキュリティレベルが十分ではないと、使用している最中にハッカーからサイバー攻撃を受けてしまう恐れがあるためです。
3Dデータの情報が漏洩したり、会社全体のシステムが故障したりしてしまいかねません。そのため、セキュリティが高い製品を選ぶようにしましょう。
おすすめの3Dスキャナーソフトウェア3選
3Dスキャナーソフトウェアの選び方をご紹介しましたが、製品を比較する手間を省きたい方もいるでしょう。そのような方向けにおすすめの3Dスキャナーソフトウェアをご紹介します。
写真を3Dモデル化できる「IREAL 3D マッピングソフト」
IREAL 3D マッピングソフトは、独立型スマート3Dテクスチャーマッピングソフトウェアです。
3Dスキャナーだけでなく、スマホや一眼レフカメラで撮影したマルチアングル写真をスキャンデータに貼り付けることができます。修正は半自動で行えるため、ソフトウェア操作スキルに自信がない方にもおすすめです。
フォトグラメトリ技術、AI画像認識技術、テクスチャー統合技術、シームライン編集技術が搭載されているため、さまざまな業界で利用されています。
<IREAL 3Dの仕様>
データ形式 | 720°デジタル3Dデータ |
出力形式 | *.obj,*.ply,*.fbx,*.stl,*.off |
テクスチャー解像度 | 16384*16384 / 8192*8192 / 4096*4096 |
マッピング誤差 | ≤0.08+0.02*ワーク寸法/300mm |
平均色差 | (CIEDE2000)≤5 |
画像のにじみ | ≤ 0.01% |
色の均一性 |
複数の写真を貼り付けて光と色を均一にし、対象物全体の色を統一する |
マッピングエッジ | マッピングされたエッジを継ぎ目なく自然にブレンド |
マッピング精度 | ≤0.1mm |
推奨PCスペック | CPU:i7-8750H以上、RAM:32GB以上(64GB推奨) GPU:NVIDIA GTX1050Ti(4GB)以上 (AMD社GPUは対応しておりません) |
リバースエンジニアリングに最適「Geomagic Design X」
Geomagic Design Xは、3Dスキャナーで取得したデータをCADデータに変換するソフトウェアです。SOLIDWORKS®、Siemens NX®、Autodesk Inventor®、PTC CreoなどのCADソフトウェアと連携できます。
連携できるだけでなく、製図の履歴を閲覧できることが大きな特徴です。そのため、リバースエンジニアリングをしたい方におすすめのソフトウェアです。
<Geomagic Design Xの仕様>
サポートOS | Windows8.1~Windows11(64bitのみ対応) 推奨:Windows10(64bit) |
CPU | 最小:2.0GHzのIntel®およびAMD®プロセッサ 推奨:マルチコアプロセッサ。 |
RAM | 最小:8GBまたは以上 |
HDD | 最小:30GB以上 推奨:256GB以上の空き容量を持つSSDまたは10000RPM HDD |
ディスプレイ | 最小:32bitトゥルカラー必須、最小解像度1280×960 推奨解像度:1228×1024以上 |
GPU | 最小:OpenGL 4.0以上が有効な4GB以上のグラフィックボード 推奨:・NVIDIA GeForce 900シリーズまたは NVIDIA Quadro同等以上、AMD Radeon 400シリーズまたは Radeon Pro同等以上 |
スキャナー+ソフトウェアのセット「IREAL 2E + ZBrushセット」
IREAL 2E + ZBrushセットは、3Dスキャナーとソフトウェアのセット商品です。
IREAL 2Eはオブジェクトを素早く正確に、テクスチャー情報を付加しながらスキャンできるハンディー型3Dスキャナーです。ZBrushとはデータ作成や映像製作、3Dスキャンデータの編集に用いられています。
また、本ソフトは一般的なノートパソコンでも数百万のポリゴンをスムーズに取り扱えたり、三角ポリゴンを四角ポリゴンに簡単に変換ができ、各々のシチュエーションに合ったデータ形式に適合できるソフトウェアです。これらを活用すれば、3Dスキャナーを用いて精度の高いデータを取得でき、要望に見合う形式のデータを出力できます。
<ZBrushの仕様>
サポートOS | Windows 10以降の64bitバージョン Mac OSX:10.14以降のもの |
CPU | Intel i5/i7/Xeon シリーズまたは、AMDのRyzen/ThreadRipperシリーズ等 |
RAM | 数百万ポリゴンでの作業を行う際には8GBが必要となります。(16GB以上を推奨します。) |
HDD | ZBrush用の100GB以上利用可能なハードディスクの容量と、スクラッチディスク(SSDドライブを強く推奨します。) |
ディスプレイ | ワコム社または、ワコム社と互換性のあるもの(Carbon API) |
GPU | 数百万色を利用できる1920 x 1080以上のモニター解像度 |
その他 | OpenGL3.3以降に対応し、Vulkan1.1よりも新しいバージョンに対応している必要があります。 |
3Dスキャナーソフトウェアに関するよくある質問
最後に3Dスキャナーソフトウェアに関するよくある質問をご紹介します。
Q.スキャナーデータの処理工程を教えてもらえますか?
3Dスキャナーデータの処理は以下の手順で行います。
- 3Dスキャナーで点群データを取得する
- 点群の位置を重ねて合成する
- 不要なノイズを除去する
- メッシュデータまたはポリゴンデータに変換する
- 使用用途に応じたデータ形式に変換する
- データをエクスポートする
Q.ソフトウェアの操作が難しいと感じた場合の対処法はありますか?
3Dスキャナーのソフトウェアの操作に不安を感じる場合は、三次元測定サービスを利用するのも1つの方法です。3次元測定サービスとは、3Dスキャナーによるデータ取得、編集、データ変換までワンストップで代行するサービスです。
3Dスキャナーのプロが代行するため、高精度なデータが取得できます。SCANTECH製品の販売代理店APPLE TREEでも三次元測定サービスを提供しています。ぜひ、三次元測定サービスに興味がある方は下記よりお問い合わせください。
まとめ
3Dスキャナーソフトウェアは、点群処理、CAD、モデリング、データ計測などの機能を提供します。
この記事では、3Dスキャナーソフトウェアの選び方をご紹介しましたが「自分のニーズにピッタリ合う製品はどれだろう?」と悩んだ方は、3Dスキャナー販売代理店APPLE TREEまでお気軽にご相談ください。お客様の要望をお聞きした上で最適な製品をご提案させていただきます。