テスラ自動車1台分を丸ごと3Dスキャン

テスラ自動車1台分を丸ごと3Dスキャン


この記事では、SCANTECHがハンディ型3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」を用いて、どのようにテスラ自動車1台分を3Dスキャンしたのかお伝えします。

3Dスキャン技術を用いた自動車製造の全工程

3Dスキャン技術は自動車製造の全工程において活用することができます。
ここでは、3Dスキャン技術を用いて、どのように自動車を製造していくのか解説します。

 

設計,製造,アフターサービスの工程では以下のように3Dスキャナーを用いて以下のようなことが得られます。

【設計・開発段階】

製品や関連部品の3Dデータを取得することで、エンジニアが設計の修正、検証や組み立てや試作品などの調整を行うのに役立てることができます。

【製造段階】

3Dスキャン技術を利用して、車全体と関連部品の品質を検査し、製品の品質を保証することができます。

【アフターサービス&補修段階】

ズレが発生した部品を分析し検査することで、故障の対処に役立てることが可能です。

上記の工程で、車全体と関連部品のデータを収集するために、 クライアント企業であるハードアクセラレータ社にテスラモデル3を1台ご用意していただきました。

3Dスキャナーを用いたテスラモデルの再構築

SCANTECHは3Dスキャン技術を活用して、テスラモデル3を再構築をしてみました。

3Dスキャンでテスラモデル3を再構築

 

3Dスキャンする対象物であるテスラモデル3は全長4.7m、幅1.85m、重さ1,614kgあり、 このような大きい対象物については、以下の2点を考慮に入れなければいけません。

 

自動車は大変複雑な構造です。湾曲、深穴、死角などの複雑な場所での計測作業を手作業で行うと大変困難なため精度が低くなります。精度が低くなると、デジタルモデルがより実物に遠ざかるため、3Dスキャナーを用いて計測することが精度を高めるために必要となってきます。

今回は、ハンディ型3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」を用いて、テスラモデル3を3Dスキャンしました。

SCANTECHでは自動車の三次元測定サービスを行っています。自動車をどのように3Dスキャンしているかは、下記のYouTubeでベンツのGクラスをスキャンしている動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

ハンディ型3Dスキャナー「KSCAN-MAGIC」の特徴


KSCAN-MAGICは世界で初めて赤外線レーザーとブルーレーザーのハイブリッドスキャン技術を導入しました。

KSCAN-MAGICの特徴については以下の通りです。

・135万回/秒のスキャンスピード
・1440×860mmのスキャンエリア
・0.010mmの解像度
・5つの標準作業モードを搭載

KSCAN-MAGICはスキャンエリアが広く、スキャンスピードが早く、複数の作業モードを搭載しているため、テスラモデル3の全体の3Dスキャンには最適です。

写真測量システム

車の体積が大きいため、普通の3 Dスキャナを使用すると、大量の作業が必要となります。

しかし、KSCAN-MAGICに内蔵されている写真測量システムを活用すれば、より正確な位置決めマーカーの3Dデータを取得し、より精度の高い3Dデータを得ることができるため、作業効率を向上させることができます。

その結果、大きな曲面の点群情報を補正することができ、点群のスティッチングの全体的な精度を大幅に向上させることができます。

 

KSCAN-MAGICを用いてテスラモデル3を3Dスキャンしている様子
KSCAN-MAGICを用いてテスラモデル3を3Dスキャンしている様子

KSCAN-MAGICの詳細はこちら!

5種類のスキャンモードで3Dスキャン

テスラモデル3の3Dスキャンは、車全体と内装、シート、車輪などの部品へのスキャンが含まれます。

KSCAN-MAGICは以下の5つのスキャンモードが搭載されています。

1.大幅スキャン
2.高速スキャン
3.精密スキャン
4.深穴スキャン
5.写真測量

これらのスキャンモードを自由に切り替えながら操作が可能で、シンプルな操作性のため、ストレスなく利用することができます。また、光沢のたるものや黒い対象物に対しても、粉末スプレーなしでスキャンできるため、 車体へのダメージを軽減できます。

 

KSCAN-MAGICでハンドルを3Dスキャンしている様子
KSCAN-MAGICでハンドルを3Dスキャンしている様子

STLデータ取得

 

テスラモデル3の3Dスキャンが終わると、次はSTLデータを取得します。

スキャンデータを読み取る3Dソフトウェアスキャンビューアに取り込んで、後処理を行い、正確な3Dモデルを取得します。その後、3Dプリントにより、1:1のテスラモデルが完成します。

テスラモデル3の3Dモデル1
テスラモデル3の3Dモデル

自動車の3Dスキャンに関するよくある質問

最後に、自動車の3Dスキャンについてよく問い合わせがあるご質問にお応えします。

Q.自動車の外装、内装はどのようにスキャンされていますか?

自動車の外装部分はマーカーを貼らずにスキャン可能な3Dスキャナー「TRACKSCAN-P42」とそのスキャナーを認識するトラッカーを利用して、外装を傷つけずにスキャンしています。内装部分は取り回しが利くコンパクトなハンディ型3Dスキャナー「SIMSCAN」「KSCAN-MAGIC」を使います。スキャンする際に、車が揺れても綺麗に撮影できるように、測定箇所にマーカーを貼ってからスキャンしています。

Q.実際に自動車をスキャンしている様子が見たいです。

ベンツのGクラスを「TRACKSCAN-P42」と「SIMSCAN」を使って、スキャンしている様子をYouTubeで配信していますので、是非ご覧ください。
<<YouTube動画はこちら

まとめ

3Dスキャン技術は製品開発を促進し、検査効率を高めて、車全体と関連自動車部品のメーカーの製品品質を向上させます。3Dスキャナーを用いることで、作業時間や作業効率を大幅に削減することができます。

今回、紹介した「KSCAN-MAGIC」はSCANTECHでも取り揃えています。もし、 3Dスキャナーを導入を検討している、もしくは3Dスキャナーを用いた計測やリバースエンジニアリングに関心がある方は下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

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