三次元測定とは?三次元測定サービスで手軽に測定しよう!
三次元測定とは、対象物に対してx軸・y軸・z軸から三次元座標を読み取り、寸法や形状などのデータを収集する測定方法です。高精度に測定できるため、デジタルアーカイブやリバースエンジニアリングなど、様々な用途に使用されています。
本記事では、三次元測定の活用例や測定方法の種類について解説。その後に、SCANTECHが行っている三次元測定サービスについてご紹介いたします。三次元測定を活用したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
三次元測定とは?
三次元測定とは対象物に対してx軸・y軸・z軸から三次元座標を読み取り、寸法や形状、位置情報を取得する測定方法です。近年では、家庭用3Dプリンターの普及に伴い、基となるデータを作成する用途にも三次元測定が使用されており、他の測定方法に比べて高い解像度で測定できます。
例えば、ノギスを使うといった物理的に測定する方法では、凹凸のある箇所を精度よく測定することは困難です。
しかし、光やレーザーを用いる非接触式の三次元測定であれば、複雑な形状でも簡単に測定可能です。さらに、基準面に対して対象物の面がどこに位置しているのか(面の構成)を測定できるため、より一層高い精度で測定できる手法になります。
三次元測定の活用用途
三次元測定は、高精度で対象物を測定できるため、接触しながら測定するノギスの活用が難しい箇所に使用されます。
このほか幅広い用途に使用され、主な用途は以下のとおりです。
- デジタルアーカイブ
- リバースエンジニアリング
- 3Dプリンター用データ作成
- 出荷検査
- 寸法測定
- 形状測定
例えば三次元測定は、製造した製品の寸法が合っているのかを確認するために、3Dスキャンデータで測る「寸法測定」に使用されます。また形状測定では、三次元測定で読み取った製品の3Dデータを比較することで、各個体差を見える化できます。
3Dデータの比較で解析すると、細かいズレや不具合の原因を追究可能です。そのため製造業でも、三次元測定は活用されています。今回はデジタルアーカイブ、リバースエンジニアリング、3Dプリンター用データ作成、出荷検査に絞ってご紹介します。
デジタルアーカイブ
デジタルアーカイブとは、芸術作品やモデルをデジタル化し、知的財産を保存することです。デジタルアーカイブが用いられる理由は、出版物や美術品をインターネット上で利用でき、誰でも簡単に文化財に触れられるためです。
例えば、特定の場所でのみ知られている文化財は、その他の地域に住む人は知るすべがありません。
しかし、デジタルアーカイブを利用することで、場所を問わず情報が得られるようになります。デジタルアーカイブに三次元測定を活用すると、保存したい対象物を損傷することなく3Dデータ化できます。デジタルアーカイブの特徴は、具体的に次のとおりです。
- 現物の知的財産が劣化・損傷しても、情報の保存が可能
- デジタルアーカイブ後のデータを編集できる
- インターネット上でデータ共有が可能
知的財産は直接触れると損傷のリスクがあるため、非接触式の三次元測定に適した用途です。
リバースエンジニアリング
リバースエンジニアリングとは、すでに出来上がっている対象物を基に、CADデータ・図面を取得することを指します。一般的に工学分野では、CADデータや図面を作成したうえで製品を設計します。
しかし、リバースエンジニアリングは従来設計プロセスとは逆(リバース)のプロセス。はじめに対象物を決定してから、三次元測定などが用いられます。特に、3Dスキャナーによるリバースエンジニアリング活用例は多く、試作品からデータを取得したり製品形状を測定したりできるため、製造業などの分野で使用されます。
<<【参考記事】3Dスキャナーをリバースエンジニアリングに活用!事例も紹介
3Dプリンターに用いるデータ作成
三次元測定は、3Dプリンターで造形するためのデータ作成にも使用可能です。3Dプリンターで使用するデータは、三次元測定だけでなくCADデータ作成ソフトから作られる場合もあります。しかし、この場合は専用ソフトの知識が必要です。
そのため、対象物から手軽にデータ作成する際は、三次元測定が適しています。近年では3Dプリンターの需要が高まりつつあるため、データ作成に三次元測定が用いられるケースは増加することでしょう。
出荷検査
三次元測定は、品質保証に関わる出荷検査にも有効です。ノギスやマイクロメータを用いた検査では、複雑な形状を測定するのが困難です。さらに、対象物に測定器具が直接触れるため、出荷する製品を傷つけてしまう恐れがあります。
そこで非接触式の三次元測定を用いると、検査時に製品に触れることがないので出荷品を傷つける心配はありません。三次元測定では複雑な形状も測定できるうえ、平面や直径、位置関係を算出するといったように、ノギスでは実現できない測定も可能です。
三次元測定の種類
三次元測定は設置方法や形状、測定方法などが多岐にわたるため、様々な種類があります。特に、測定方法による違いは大きく「接触式」と「非接触式」に分かれています。それぞれの特徴を説明するので、各方式について確認しましょう。
接触型の三次元測定
接触式の三次元測定は、プローブ(探針)を対象物に接触させながら測定する方式。非接触式に比べて、高い精度で測定できることがメリットです。
ただし、下記のデメリットがあるため、正しく理解したうえで使用することがおすすめです。
- 複雑な形状の場合、プローブが接触しにくく測定が困難
- 対象物の表面が傷つく可能性がある
- 測定時間が長い
非接触型の三次元測定
非接触式の三次元測定を用いると、光やレーザーを用いて対象物に触れることなく測定できます。
そのため、対象物の表面に傷をつける心配はありません。このほか非接触式を用いると、次のメリットがあります。
- 複雑な形状でも簡単に測定可能
- 接触式に比べて短時間で測定できる
- 測定したデータを使って解析が可能
非接触式の三次元測定を利用する場合、3Dスキャナーを使うと高速で測定できるため、非常に便利です。SCANTECHでは、三次元測定の受託サービスを提供しており、お客様のモノづくりでのお悩みを解決するお手伝いをしています。これから、SCANTECHが提供する「三次元測定サービス」をご紹介します。
SCANTECHの三次元測定サービス
SCANTECHが提供する「三次元測定サービス」では以下のサービスがよく用いられています。
- 三次元寸法測定
- 形状比較評価
- 幾何公差測定
- リバースエンジニアリングサービス
- デジタルアーカイブ化
本サービスでは、非接触式の三次元測定を実施するので、測定時間は短く高精度で測定できます。
また、図面をお持ちでないお客様でも対象物があれば簡単にスキャンできるため、安心してリバースエンジニアリングに活用可能です。SCANTECHの三次元測定サービスは、国内どこでも技術スタッフが駆けつけます。技術スタッフは三次元測定の知識はもちろん、実務経験も豊富です。
三次元測定サービスの測定機器
三次元測定サービスでは、VDI/VDE 2634パート3規格に準拠した解像度の高いハンディ型3Dスキャナーを用いて、三次元測定やリバースエンジニアリングを実施します。
スキャンデータを作成する具体例として、大型の自動車をスキャンするケースについて説明します。
ベンツのGクラスなど、大型の自動車をスキャンする際、外装と内装のスキャンが必要です。はじめに外装のスキャンは、ハンドル型3Dスキャナー「TRACKSCAN-P42」と、座標取得に必要なトラッカーを使用します。TRACKSCAN-P42は、スキャナーの周りにターゲットが備わっているため、マーカーが不要。従来の測定時に必要だったマーカーを使用せず、車体を傷つけずに測定可能です。
このときミラー部分などの透明樹脂が使用される箇所は、スキャンしてもデータが得られません。そのため、スプレー(現像剤)を噴射して着色することで、データが取得できるようになります。
次に、内装のスキャンでは「SIMSCAN」や「KSCAN-MAGIC」といったスキャナーを利用します。
SIMSCANは、わずか570gの重量で小型の測定機器。小回りが利くため、狭い車内空間でも問題なくスキャンできることが特徴です。一方、KSCAN-MAGICは1秒間に135万点のスキャンが可能で、短時間で測定できます。また、最高0.020mmの高精度を実現し、複雑形状で細かい箇所でも安心して測定可能です。
外装と内装のスキャンを終えたら、取得データを処理してスキャンデータが完成です。このように、SCANTECHではあらゆる用途に合った3Dスキャナーを取り揃えていますので、三次元測定を検討されている方はぜひお問い合わせ下さい。
三次元測定に関するよくある質問
最後に、三次元測定に関するよくある質問を紹介します。
三次元測定では、どのくらいの大きさまで測定可能ですか?
SCANTECHの三次元測定サービスではVDI/VDE 2634パート3規格に準拠した解像度の高い以下の3機種をご用意しています。
- SIMSCAN:4m程度の測定物を対象
- KSCAN-MAGIC:小型から大型10m程度まで対応
- TRACKSCAN:マーカーレス測定が可能
SIMSCANは重量が570gで小型サイズのため、取り回し性の高い製品です。一方で、KSCAN-MAGICはSIMSCANの性能に加え、写真測量機能を搭載。TRACKSCANはマーカーシールなしで測定できるため、測定物を傷つけることなく測定できます。測定物の大きさやスキャン状況などあらゆる状況にもご対応していますので、計測して欲しい測定物があれば、是非お問い合わせください。
三次元測定の用途は何ですか?
三次元測定の主な用途は幅広く、例えば下記のとおりです。
- リバースエンジニアリング
- 複雑形状のサンプル測定
- デジタルアーカイブ
- デジタルアセンブリ
- 3Dプリンター用データ作成
- 出荷検査
スキャンした結果を基にして、対象物の形状に近いデータを作成する「リバースエンジニアリング」や、芸術作品やモデルをデジタル化する「デジタルアーカイブ」に用いられます。近年需要が高まっている「3Dプリンター用のデータ作成」にも使用され始めています。
まとめ
三次元測定は、リバースエンジニアリングや出荷検査、デジタルアーカイブなど幅広い用途に活用されている測定方法です。失敗せずに三次元測定を実施する場合、測定ノウハウや実績が豊富な企業に依頼することがおすすめです。
SCACTECHが提供する「三次元測定サービス」は、経験豊富な技術スタッフが訪問して測定するため、どなたでも安心して利用できます。三次元測定を検討されている方は、お気軽にご相談ください。